新しいことに挑戦するけど、なかなか継続できないという経験はありませんか?
結論から言うと、それはホメオスタシスが原因です。
ホメオスタシスとは「今の状態を維持しよう」とする人間の機能です。
何かに挑戦しようとすると、「挑戦=危険」と脳が認識して元の状態に戻そうとします。
挑戦したい人にとっては敵のように思えますが、一度ホメオスタシスを味方につけてしまえば、とても心強い味方になります。成長し続けることが出来るようになります。
継続するのが苦手という方は、
ホメオスタシスを理解し味方につけることを意識してみませんか?
本記事ではホメオスタシスとその乗り越え方についてご紹介していきます。
継続できない原因|ホメオスタシスとは?

ホメオスタシス(homeostasis)とは、生物が環境の変化に関わらず内部の状態を一定に保とうとする仕組みのことです。
つまり簡単に言えば
「体のバランスを守る力」 や 「元に戻ろうとするはたらき」
具体的には、ホメオスタシスは体内でこのような調整をしてくれます。
・体温が上昇すると、汗をかいて体温を下げる
・ストレスがかかると、交感神経が働き覚醒モードに切り替わる
本来は生物学の言葉ですが、後に心理学的にも使われるようになりました。
ホメオスタシスが引き起こす現象
ホメオスタシスは、体の内部環境を一定に保つ働きのことですが、心とも深く関係しています。
心理学的なホメオスタシスは、
人が変化しようとすると、脳や心が「元の状態(現状)に戻そう」と働くことをいいます。
これは、脳が変化を「危険」と判断し、安定を保とうとするためです。
ここからは、心理学的に関係の深い現象についてご紹介していきます。
現状維持バイアス
変化を避けて現状維持を求める心理傾向です。
未知のものや変化を受け入れずに、現状の安定した状態を「損失」するリスクを回避しようとする心理が働くこと。
人は「変わるよりも今のままでいる方が安全」と感じる心理的傾向があります。
現状バイアスの具体例
・いつものお店で同じメニューを頼む
・同じ生活習慣を続ける
・過去の成功体験に固執する
・新しい技術の導入を避ける
セルフ・サボタージュ
目標の達成を妨げる正体を自ら作り出してしまう考え方や行動をいいます。
”self-sabotage”は「自己破壊」と訳されます。
具体例を見ていきます。
・完璧主義で行動できない
ブログ記事を書こうとするけど、「もっといい表現があるかも」と思いすぎて書き進められない
・時間がないと言い訳する
「忙しいから無理」と最初から決めつけて手を付けない、隙間時間(5分~10分)があっても「この時間じゃ何もできない」と何もしない
・先延ばしにする
クラウドワークスで案件に応募しようと思っているのに「もう少しリサーチしてから」「あとでまとめてやった方が効率的」と先延ばしにして手を付けない
・失敗を恐れて挑戦しない
「自分なんかがやっても選ばれない」「どうせ途中で挫折するし」と考えて最初の一歩を踏み出さない
・他人と比較して自信をなくす
「この人は短期間で結果を出しているのに、私はまだ稼げていない」と思い、やる気を失う
・環境のせいにする
「もっと集中できる環境があればできるのに」と、家の状況や子どものせいにして行動しない
これは 「元の状態(現状)」を維持しようとするホメオスタシスの働き であり、
無意識に自分の行動を元に戻そうとする力 が働きます。
何か思い当たるものはありましたか?
これらに気づけると自分を客観視しやすくなります。
心理学的ホメオスタシスの具体例
では、どんな時にホメオスタシスが働くのか、具体例を挙げていきます。
●ダイエットを始めると無性にジャンクフードが食べたくなる
「いつもの食生活」に戻そうとする力が働くので、普段は気にならないスナックがやたら美味しそうに見える
●新しい仕事や環境に飛び込んだ途端、「やっぱり前の方がよかった」と思う
脳が「今までの環境の方が安全だった」と判断し、不安を感じさせる
●大きな夢や目標を掲げた途端、「自分には無理だ」と思ってしまう
今までの自分の枠を超えようとすると、無意識に「元の自分」に引き戻そうとするので、「やっぱりむいていないかも」と感じてしまう。
乗り超える方法|ホメオスタシスを味方につける

では、このような壁に直面した時どのように乗り越えたらいいのでしょうか?
乗り越える方法を5つ紹介します。
小さな変化を加える(環境を変える)
ホメオスタシスは「急な変化」を嫌うから、日常の小さな部分から変えるのがポイント
・朝のルーティンを5分早める
・仕事前にストレッチを1分だけやる
・普段と違う道を歩く
今すぐできる:スマホのホーム画面を整理する(視覚の変化で脳を刺激)
成功体験を「見える化」する
変化を続けるには、「成果が出ている」と脳に理解させるのが大事
・できたことをメモする(今日の進歩を1行でも多く書く)
・カレンダーにチェックを入れる(連続記録をつける)
・1日の終わりに「今日できたこと」を振り返る
今すぐできる:1つ「できたこと」をメモする
身近な人に「宣言する」
人は「他人に見られている」と感じると、行動を変えやすいです。
・家族や友達に「今日やること」を宣言
・SNSで「○○に挑戦中!」と発信(非公開メモでもOK)
・ブログで「今月の目標」を書く
今すぐできる:チャットで「今日やること」を誰かに伝える。
変化を「小さく始める」:5分だけやるルール
「変わるのは大変」と思うと、ホメオスタシスが働きます。だから最初のハードルを下げるのがコツ。
・とりあえず5分だけ作業する
・1行だけブログを書く
・1投稿文のネタだけ考える
今すぐできる:今から5分間、タイマーをセットして作業してみる
「変化=楽しい」と脳に思わせる
ホメオスタシスは「変化=ストレス」と感じるから、ポジティブな感情と結びつけると変化しやすいです。
・ご褒美を設定する(記事を書いたらおやつを食べる)
・楽しい音楽を流しながら作業する
・「やらなきゃ」ではなく「やってみよう!」の気持ちでやる
今すぐできる:好きな飲み物を準備して、楽しい気分で作業を始める
最初のうちは、変化を継続するのはとても大変です。
しかし、変化を継続していくと、いずれ「変化があることが普通の状態」となり、
ホメオスタシスは「変化をし続ける状態を保とう」と働いてくれるようになります。
そうすると今度は、「変化し続けないと気持ちが悪い」という状態になるでしょう。
ぜひ、ホメオスタシスを理解し味方につけていきたいですね。
最後に

ホメオスタシスは「成長の壁」でもあり「成長のサイン」でもあります。
ホメオスタシスの力が強く働くときこそ、「本当に変化しようとしている証拠」なのです。
停滞感を感じたり、「元に戻ろうとする力」を感じたら、それはまさに成長の過程だと理解することが大切です。
「変化の壁に直面したとき、ホメオスタシスが働いていると自覚することが第一歩」なので、この記事を読んでいるあなたは、すでに第一歩を踏み出しているといえるでしょう。
出来ない自分に落ち込んだり、言い訳したり、現実逃避したりしてしまうけれど、それは誰にでも起こりうることで、克服できるものです。
「大きく変えよう」とせず、ぜひ小さな行動から始めてみてくさだい。
この記事が少しでもお役に立てたら嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。